両立できる?できない?
子どもが中学年、高学年に差し掛かると、多くの家庭で持ち上がるのが「中学受験をするか否か」、そして「受験するなら習い事をどうするか」という悩みです。
大手進学塾のカリキュラムが本格的にスタートする新4年生は、最初の大きな分岐点となります。この時期に、受験のために子どもを進学塾に通わせる方も多いでしょう。
ここで重要なのは「受験か習い事か」という0か100かの二者択一で考えず、優先順位をつけて選別していく作業が必要です。
「受験勉強に集中させたいから、習い事はきっぱり辞めさせよう」。そう考える親御さんの気持ちはよく分かります。
しかし、教育現場や経験者の声を聞くと、習い事を細く長く続けていた子どもの方が、結果的に受験勉強のパフォーマンスが高いという事例が少なくありません。
まずは塾の時間割と、移動時間を含めた習い事のスケジュールを書き出し、「睡眠時間」と「遊ぶ時間」を確保した上で、冷静にシミュレーションすることから始めましょう。
両立のメリット
1,ストレスを解消できる
偏差値や順位で常に評価される受験生活において、好きなことに没頭できる時間は貴重なリフレッシュになります。「勉強がダメでも自分にはこれがある」という自信が心の支えとなります。
2,時間の使い方が上手くなり、集中力が高まる
「習い事に行くために〇時までに宿題を終わらせる」という明確な締め切りができるため、ダラダラと長時間勉強するよりも短時間で集中して取り組む習慣が身につきます。
3,受験に必要な「体力」と「粘り強さ」が維持できる
特にスポーツ系の習い事は、長時間の試験を乗り切るための基礎体力を養います。また、厳しい練習を乗り越えた経験は、受験勉強で壁にぶつかった際の粘り強さに直結します。
両立のデメリット
1,学習時間が削られ、宿題・復習が回らなくなる
高学年になると塾の拘束時間と課題量が激増するため、習い事に時間を割くことで、本来やるべき復習がおろそかになり、成績低迷の原因になるリスクがあります。
2、疲労による睡眠不足
習い事で体力を使い果たしてしまい、塾の授業中に眠くなってしまったり、帰宅後に机に向かう気力が残っていなかったりと、本末転倒な状態になる可能性があります。
3,親の負担が増大する
塾の曜日変更や特訓日、模試と、習い事の試合や発表会の日程が頻繁に被るようになります。その都度、欠席連絡や振替調整を行う手間が発生し、送迎スケジュールも複雑化します。
両立のために
おすすめなのは、辞める以外の選択肢を模索することです。
多くの教室では、受験生向けの柔軟な対応をしてくれる場合があります。例えば、「週2回を週1回に減らす」「コンクールや試合クラスから、エンジョイクラスに変更する」「通学時間を削るためにオンラインレッスンに切り替える」「塾とかぶらない土日の個人レッスンに移る」といった方法です。
また、「休会制度」を活用するのも有効な手段です。特に6年生の夏休み以降は、志望校別特訓などでスケジュールが過密になり、体力的にも精神的にも両立が難しくなります。この時期だけは「受験勉強に専念する期間」と割り切り、一時的に休会するご家庭も多いです。
正解は一つではありません。お子さんの性格と塾の負担を見極めながら、ご家庭にとって最適なペースを見つけてあげてください。